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「玉野市」と聞くと、最初に「ん?」という違和感を覚える。その違和感はどこから来ているかというと、「玉野」という地名と
場所のイメージがすぐに一致しないことによる。といっても、玉野は岡山のどこら辺りにあるのかという低レベルな話ではない。子供の
ころから、フェリーに乗って四国に行くときには「宇野」という町に行くと覚えているし、電車で行く場合でも「宇野線」の「宇野駅」
まで切符を買う。つまり、岡山の海の玄関口は「宇野」であり、けっして「玉野」ではないのだ。ついでに言えば、海水浴は「渋川」や
「出崎」に行くのであって、これもまた「玉野」ではない。つまり、私にとって「玉野」という地名は、地図の上だけの架空の地名の
ようなもので、それが現実の記憶と結びつかない。現実感のない蜃気楼のような町なのだ。 |