牛窓は風光明媚な街だ。キャッチフレーズは「日本のエーゲ海」。晴れの国岡山のさんさんと降り注ぐ太陽と、青い海と 美しい島影。けれど、街の通りを歩いてみるとあちらこちらに空き家が目に付く。中にはかなり荒れてしまった家もある。 そんな中、両開きの趣のある扉が目に付いた。白いカーテンの引かれた扉は古めかしい病院か何かのようにも見えるが、ドアノブにしっかりと巻きつけられたロープが、そこはもう開かれない扉なんだよと教えてくれる。華やかなイメージ を持つ観光地牛窓の表情とは別に、過疎と高齢化という問題を抱えたもうひとつの側面がそこにはある。