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2003年6月26日

 いつのまにか6月も終わろうとしている。ここのところずっと雨が続いて撮影に出かけて いない。本当は雨降りのときでも出かけていきたいところだが、左足の痛みが完治していない ことや、車検やタイヤ交換など出費が続くため、ちょっと出足が鈍りがち。ぼやぼやしていると 梅雨も終わってしまうので、久しぶりの休みとなる今度の日曜日は、どこかに出かけてみよう かな。梅雨らしい風景を撮りたいので、雨降りだといいのだけれど・・・


2003年6月23日

 基本的に食べられないものというのはあまりないのだが、普通に近所のスーパーで買えるもの の中でいえば、セロリと納豆はどうもだめだった。ところが、最近納豆が食べられるようになった。 何がきっかけだったのかよく覚えていないが、すきっ腹のときにしょうがなくて食べてからだった ように思う。空腹は最良のソースとはよくいったものだ。そうはいっても、それ以後好んで食べて いたわけではないのだが、納豆の効能をあちこちでみるにつけ、健康のためには食べたほうがよさ そうだと意識し始めた。
 そんなときにたまたま買い物に行った先のスーパーで、納豆の安売りをしていた。そこで、 1パック買って食べてみた。ニオイはやはりくさいのだが、味のほうはそう悪くない。2回、3回 と食べ慣れてくると、だんだん好みの味になってくる。それいらい10日ほどになるが、毎日1個 食べている。しかし、特に身体の調子がよくなったというわけでもなく、どれほど健康に良いのか はいまだによくわからない。ま、薬じゃないので食べてすぐどうなるものではないだろうし、 気長に続けてみるかな。


2003年6月22日

 近所のパソコンショップにフラッと寄ってみたら、おもわぬ掘り出し物を発見した。エプソン のPM-880Cというインクジェットプリンタの中古品。外観、中身ともきれいであまり使われた形跡が ない。装着されているインクはクロが半分、カラーは8割ぐらいあってしかも新品インクが1個予備で ついていた。箱は無かったけれど、これで6980円というからかなりお買い得。一昔前のタイプだが、 1440×780dpiはいまでも写真印刷には十分なレベルだし、カラーインクは一体型でランニングコストも 安い。A4サイズまでの写真印刷なら必要にして十分。ということで、早速買ってきた。
 たったいまためし印刷を終えたところだが、エプソンはうるさいと言われているわりには、 今まで使っていたNEC(HPのOEM製品)よりもよっぽど静かだ。なにしろ机が揺れない。印刷スピードは さすがに速いとは言えないが、まあ特別不都合ということもないし問題無い。ハナビの写真をはがき サイズの光沢紙に印刷してみたら、十分きれいで感動的だった。今まで使っていたプリンタの写真 印刷品質が話にならないレベルだったせいもあるが、最近のインクジェットプリンタの印刷品質は 本当にすごい。もっとも、A4サイズで風景写真を印刷した場合にどこまで耐えられるのかについては、 この後のお楽しみというところ。まあ、これはスキャナの性能にもよるのでプリンタだけの問題では ないのだが。それにしても、やっぱ写真はプリントを見るに限ると思った。


2003年6月16日

 先週後半から得たいの知れない左足痛に見まわれた。5月末に大山登山をして以来、これと いって足を酷使するようなことは何もしていない。というよりも、かえって運動不足状態だった。 それが、ひざを曲げられないほどの痛みに突然襲われてしまった。症状は、左臀部(つまりお尻) から左かかとにかけて、外側の筋が上から下まで全部痛いというもの。特にひざ関節部分は、裏外側 がピキピキと痛んだ。感じとしては、スジを痛めたのと同じ状態なので、妙な筋肉関係の病気 というわけではないようだ。
 で、寝ていても痛いし起きて座っていても痛いので、たまたまあったサロンパスを貼りま くってみたがあまり効果が無い。どうしたものかと考えていたら、以前香港で買った タイガーバームというえらくくさい筋肉痛の塗り薬があったことを思い出した。香港に旅行に行った ときに、背中の筋肉痛という奇妙な症状に襲われて、現地で買ったものだ。ひとつあればよかったのだが、 小ビン三つでまとめ売りしていたので、仕方なく3つ買って使い切れずに置いていたやつだ。ちなみに このときの背中痛は、背骨のゆがみによる神経の圧迫が原因だったらしく、帰国後カイロプラクティク に行くとあっさり直った。腰痛および頭痛も同時に納まり、30年以上も身体を酷使するといろいろと がたがくるものだと痛感した。カイロプラクティクの先生の言うには、背骨で3箇所、首で2箇所、 骨のずれがあったそうだ。首の骨のずれが血管を圧迫して血流を阻害するため、頭痛が起こっていた らしい。当時、首を直してもらった直後は、首筋の血管がやたらどくどく脈打ってぴくぴく動いている のを感じたほど。岡山に戻ってきて3年。最近ちょいと調子がよくなかったり、ごくたまに背中が つったような鈍い痛みを覚えるようになった。以前と同じ症状だ。そろそろ背骨のゆがみが出てきた ということか。
 そう考えると、左足痛も背骨か骨盤のゆがみが原因だったのかもしれない。とはいえ、件の タイガーバームをおもいきり塗りたくって一晩寝たら、かなり痛みが和らいでいた。さらに続けて 塗りたくっていると、まだ少し痛みが残っているが、普通に歩くことはできるようになった。タイガー バーム恐るべし。筋肉痛にはやたら効果が高い。インドメタシン配合のなんとかという薬より効くのでは ないかという気がする。問題は、ニオイとべたべた感。朝出かける前に塗るなんてことはまず無理。 最近はタイガーバームのシップ薬もあるようなので、ぜひ日本でも販売してもらいたい。もっとも、 シップになってもニオイはたいして変わらないと思うが・・・ところでこの薬、香港で買ってからすでに 5年が経つが、途中使いかけの状態であったのにもかかわらず、色もニオイもまったく変わっていない。 強烈なニオイがあり半固体状の油の塊のような状態なので、経年変化を起こさないのだろうか。つくづく 不思議な薬である。


2003年6月6日

 サイトのリニューアルも一段落。メインのギャラリーを一応オープンさせることができた。 もっとも、これまで公開したのは主に東京に住んでいた頃に撮った写真で、言ってみれば旧作。
今回、モノクロギャラリーで公開した「等々力渓谷」は、初めてモノクロフィルムで撮ったもの だが、ちょっと遊んでみたくてセピア調のトーンにしてみた。また、わりとカットの種類が豊富 だったこともあり、初の組み写真に挑戦してみた。そして、タイトルを使って自分なりの ストーリーを組み立ててみた。どういうストーリーになっているかは、タイトルをたどりながら 自分なりに考えてみてほしい。受け取り方は人それぞれだと思うので、ここでどういう ストーリーを想定したかは伏せておくことにする。


2003年6月2日

 ようやくサイトのリニューアルをすることができた。一気に全部やろうと思っていた のだが、そうするといつになるかわからないので、順番に公開していくことにした。 多くはすでに公開していた作品の再構成だが、なかに新作も混ざっているので、久しぶりに 見なおすつもりでみてもらえればと思う。
 これまではなんとなく被写体別の構成にしていたが、いろいろと考えた結果、 自分の写真のテーマを「 NATURECHROME 」という言葉で表現し、基本的に被写体別ではなくて 色別の構成にした。やはり自然のなかにある色彩の美しさに感動したことがすべての始まり なので、そうすることが一番自然であるような気がする。
 また、作品のスキャニングとレタッチも一からやり直して、かなり原版に近い品質にもって いけたと思うので、いままでよりもよりクリアで鮮やかな状態で見てもらえるはず。あとは、 できるだけはやく完成させること。これが一番たいへん。


2003年5月29日

 28日に大山に登ってきた。からっとした晴天で非常に気持ちのいい1日だった。 今回は山登りが主目的なので写真はフィルム1本分しか撮らなかった。天気がいいので 山頂から日本海に沈む夕陽が見られるかと思ったが、地上付近はもやがかかったように なって、結局日没は見ることができなかった。
 大山の長い稜線は昔は縦走ができたのだが、数年前の芸予地震で崩壊してしまい、 いまは縦走禁止になっている。とはいえ、下から見ているとときどき歩いている人が いるのでなんとかいけるかなと思っていたが、実際にみてみるとかなりやばい雰囲気。 北アルプス槍−穂高間の大キレットに比べれば距離は短いのだが、なにしろこちらは 岩壁ではなくて常時崩壊し続けている土のナイフリッジ。幅わずか30cm程度の綱渡りの ような稜線を歩くのは、さすがにびびる。すこしだけ歩いてみたが、当日は風が強く、 時々突風も吹いてくるので、危険と判断して中止した。やはり、縦走が禁止されている のはそれなりの理由があるというわけだ。
 山頂付近で日没を待ってそれから下山したわけだが、日没時間が午後7時だったので、 ふもとに下りてきたときにはすでに9時前だった。5合目付近からはまったくの闇夜となり、 まっくらな登山道を、ランプの明りだけで一人で下るのはやはり心細いものがある。しかし、 見上げれば一面に光をばら撒いたような満点の星空。何度も見ているのだけれど、毎回 星ってこんなにあったんだなぁと感動してしまう。その意味では、月がないのはかえって 幸運だったかもしれない。
 帰りは、露天風呂の西の横綱となっている湯原温泉の砂湯に入ってきた。平日の夜 10時30分ごろだというのにそれなりに人はいたが、大きな風呂が3つもあるので混雑感は なく、星空を見ながらたぷり1時間つかってきた。傍を流れる川の流れの音と、こずえを揺らす 風の音、満点の星空、そして温泉。さすがに横綱と言われるだけのことはある。しかも無料だし。 県北に行ったときは、砂湯につかって帰る、これが岡山県人の定番ですね。


2003年5月27日

 このところ雨こそ降らないけれど、ずっと曇りの天気が多くて、休みの日も 家で写真のスキャニング作業をやることが多かった。バイトの行き返りに自転車 をこいではいるものの、かなり運動不足気味である。明日は、久しぶりに晴天と なりそうなので、ちょうど2連休であることだし、大山縦走でもしてみようかと 思っている。本当は、はやくスキャニング作業を終えて、サイトのリメイクを しなければいけないのだけれど、お山が呼んでいるような気がするので、やはり ご挨拶に行かなければ・・・
 サイトのリメイクに関しては、ほぼ各ページの構成などは終了していて、 あとはスキャニングと各写真のページの作成のみというところ。そういう状況 なので、どうも新作のアップが滞り気味になってます。申し訳ありませんが、 しばらくの間ご勘弁ください。新作そのものはわりとあるんですが、いまアップ してもすぐにリメイクになってしまうので、まとめてドドッと出したいと思って ます。
 ところで、画像処理ソフトでスキャニング画像を取り込んで保存する方法 だが、直接JPEAGで保存するとオリジナル画像の画質が劣化するので、ソフト 固有のファイル形式で保存しておいて、レタッチ後にサイト用の画像として JPEGで別名で保存したほうが画質は格段にきれいだ。オリジナル形式をもたない ソフトであれば、TIFF形式がいいだろう。今までは僕も直接JPEG で保存していたが、画像サイズを変更したりレタッチすると、やはり画質 の劣化が顕著で、かなり苦しい写真もいっぱい掲載してしまっていた。
 今回、リメイクを機に、掲載作品そのもの見直すのと同時にすべてフォト ショップのファイル形式(PSDだったかな)で取り直して、すべてのレタッチを PSDで行ってから、JPEGに変換するという方式に変えた。そのため全体的に かなり画質が向上したと思う。HDDの容量はかなり増えてしまうが、 画質が気になる人はこの方法がいいと思う。


2003年5月18日

 棚田に夕日の写真と月夜の写真を撮りに行ってきた。岡山県の真中あたりには、棚田百選 に選ばれた棚田が2箇所あり、それぞれ東と西に開けているので、夕日は西に開けた棚田、月の 出の時には東に開けた棚田と移動して、月が高く上がってからは再び西に開けた棚田の南向き 斜面で月の写る棚だの風景を狙った。で、なんだかんだで終了したのが午前2時。今朝は危うく バイトに遅刻するところだった。
 それにしても、せまい棚田の中をとおる道の端に三脚の列が10数本ならんでいるさまは ちょっと奇妙な光景だった。有名な場所なのでしかたのないところだけれど、地元の人は には迷惑な話かもしれない。しかも、今回真夜中に月夜に写真を撮ろうとしていると、物音を 聞いて農家の犬がほえ始めたりして、なんだかこそ泥のような気分でこそこそと撮影していた。 撮影場所と犬のほえた農家とは50mぐらい離れているのだが、しずかな山村ではちょっとした 物音でも、犬には筒抜けらしい。このときは午後11時をまわったころだったので、ちょうど 多くの農家では寝付いたぐらいの時間。そこで、撮影は早めに済ませて、周りに農家のない 離れた場所に移動して、長時間のバルブ撮影をしていたら、午前2時になってしまったというわけ。
 写真を撮るのは個人の勝手だが、撮影地に住んでいる人にできるだけ迷惑がかからないように 配慮することは大切なこと。知らず知らず傍若無人なカメラマンになっていないか、いつも 自問自答していないといけないなと、帰りの車の中で反省。


2003年5月13日

 ホームページのフルモデルチェンジを計画中。ついでにすべての写真をスキャンしなおして レタッチからやり直すつもり。で、一生懸命スキャンしているのだけれど、これがなかなか大変 な作業で、なかなかはかどらない。
 スキャニング作業をしていてつくづく思うのが、高性能スキャナがほしいということ。現在 使っているのは、エプソンのFS-1300WINSというフィルムスキャナだが、目が肥えてきたせいか その性能に不満が出るようになってきた。買った当初はかなり性能に満足していたはずなのに、 どうして最近は納得できないのか。レタッチの技術が上がったこともあるだろうし、見なれてし まったこともあるだろう。どちらにしても、4000dpiクラスのフィルムスキャナがほしいとつくづく 思う。コンピュータって、本当に金食い虫だなぁ・・・


2003年5月3日

 2日の早朝から伯耆大山のふもとの森を歩いてきた。山の影や渓谷にはまだところどころ 残雪があったが、登山道には雪は皆無で歩きやすかった。大山東壁のふもとにある最大の滝・ 大山滝周辺と、北壁に囲まれた元谷の森をめぐってきた。
 大山滝は豪快な二段の滝で、急傾斜の道を滝壷まで降りることができる。絶壁が周りを取り 囲み見上げるとちょっと怖い感じもするが、滝を正面に見るところに意外に広い河原があり、ねころ がって滝を眺めていると、不思議と爆音にもなれ、静かな清流のそばでくつろいでいるような気に なってくる。
 元谷は数百メートルの大岩壁が周りをぐるりと取り囲み、いつも岩が崩落する音が遠く 近く聞こえてくるようなところだが、その谷を埋めるブナ林の新緑と所々にある山桜の淡いピンク が初夏の光に輝いて、言葉にできないほどの美しさ。その上、背後には残雪をかぶった北壁とその上に 広がる青天があるのだから役者がそろいすぎではないか。普通に歩けば1時間ちょっとで行ける道のり を、結局3時間近くもかけてしまった。
 大山元谷、ちょっと病みつきになりそうな予感・・・


2003年4月30日

 29日の朝9時55分から「北穂高小屋物語」という番組が放映された。TBS系列だっただろうか。 昨年、槍ヶ岳から大キレットを越えてへとへとになってたどり着いた北穂高小屋の温かい食事と 柔らかい布団を思い出した。もしもあそこに小屋がなかったら、死ぬ思いで奥穂高の山小屋まで 岩壁を越えていかなければならなかったはず。北穂高についたのは午後3時ごろ。奥穂高までは さらに2時間はかかる。疲労困ぱい状態で超えるにはちょっとつらい岩稜だから、下手をすると なんらかの事故にあっていたかもしれない。小屋を作った小山氏は、この小屋のおかげで年間 20人の命を救えるはずと言ったらしいが、まさにそのとおりだと思う。
 ゴールデンウィークまっただなか。北穂高まで行くことはできないが、この週末は久しぶり の4連休となる。休みの取れないインストラクター稼業としては珍しい。せっかくだから、残雪の 残る伯耆大山のブナの森でもうろついてこようかな。


2003年4月24日

 サイトのページは基本的にWindowsのおまけソフト「メモ帳」で作っているのだが、最近メモ帳 でこのページを編集しようとすると、"メモリ不足です。他のアプリケーションを終了してからやり 直してください。"という警告が出て、作業ができなくなっていた。メモ帳しか開いていないのにもか かわらず! OSがおかしくなったのかと思って、CドライブをフォーマットしてOSを 再インストールしてみたが、まったく直らない。しょうがないので、まえまえからメモリを増設しようと 思っていたこともあり、128MB増設してみた。なんでもっと大きくしないのかというと、4年前に買った PCなので、最大で256MBまでしか増設できないのだ。トホホ。で、増設してみたが、やっぱりだめ。
 いったいぜんたいどういうことだ、と考えてみた。メモリが不足するということは、データ量が 大きいということ。しかし、Wordや他のソフトは問題なく稼動する。ということは、メモ帳だけの問題。 ん? そういえばこのページ、開設以来ずっと同じページに書き加えてきていて、それなりの文量に なっている。そうはいっても、34KBしかないのだが。もしかして、メモ帳って、30KB程度のファイル しか扱えないのか? 
 さっそく2つのファイルに分割してみたら、あーら不思議。何の問題もなく作業できるではありませんか。 なんということでしょう。所詮、おまけソフトはおまけソフト。まさに、メモ帳程度の容量しかもって いないということが判明。そうはいっても、webページのソースを表示するときに、かってにこいつが 開いてくるんだから、今後もこれを使いつづけることになるだろう。だって、Wordやビルダーは面倒くさい からね。それにしても、せめて100KBぐらいのファイルが扱えるようにならないものだろうか。


2003年4月12日

 11日に再び東京に日帰りで出かけた。今回はのぞみを利用したのだが、さすがに乗り心地がいい。 のぞみに乗ったのははじめてで、新幹線の技術の進歩に改めて感心してしまった。とにかくゆれが少ない し、静か。早朝に出たこともあって、行きも帰りもほとんど寝ていたが、寝心地もなかなか。シート間 のゆとりが大きくなっているため、足も伸ばせるし、3時間半という長い時間座っていてもまったく疲れ なかった。飛行機もいいが、シートの良さはまだまだ新幹線の勝ちかな。
 ところで、用事は午後12時過ぎにはおわったので、新宿三井ビルのペンタックスフォーラムによって、 ついでにとなりにあるエプソンのEPsightショールームに寄ってきた。ちょうど、北海道・美瑛の写真で 有名な前田真三氏の写真展をおこなっていたのだが、エプソンのショールームだけあって、写真はすべて エプソンのプリンタを使って印刷したもの。それが驚くほどきれい! 大判のものは、少し横縞が見えて いるものもあった。しかし、GT-9800でポジをスキャンし、PM-4000PXで印刷したものは、もはや銀円写真 のプリントとなんらかわらないレベルで、インクジェットプリンタの技術もついにここまできたかという 思い。かつて、某メーカーでインクジェットプリンタのマーケティングを担当していたころは、解像度も 360dpiでカラー印刷もようやく見られるレベルになってきたという時代だった。当時、エプソンは競合 会社で、エプソンのピエゾ素子方式のインクジェットは、技術的に発展性がないなどという本社からの 情報をもとに、自社製品の優位性を訴える資料などを作成していたが、まったく嘘っぱちだったわけだ。 エプソン、よくがんばったと誉めてやりたい。サポートも親切だし、インクジェットプリンタを買うなら 、いまのところエプソンがもっともいい製品だと思う。
 ときどきPM-4000PXは光沢紙が使えないという理由で敬遠する人がいるが、EPsightでみた限り、半光沢紙や画材用紙のようにあまり光沢のない紙のほうが、写真には向いているように思う。あまり光沢があると 光を反射して写真がみにくいもので、てかりのない紙だと非常にみやすい。光沢がなくても色の鮮やかさ や深みは十分過ぎるほど再現されているし、その落ち着いたトーンがかえって美しさを引き出している。 PM-4000PXと4000dpiクラスのスキャナがあれば、自分で写真展用の作品を仕上げることも、さして難しい ことではなさそうだ。


2003年4月6日

 4月4日に「森山大道写真展」を見に行ってきた。島根県松江市の島根県立美術館での開催なので どうしようかと思っていたのだが、メジャーな写真家の写真展なんて地方都市でやることはあまり ないし、せっかくの機会なので片道3時間半(一般国道経由)をかけて出かけた。
 正直に言うと、森山大道という写真家については名前を聞いたことがあり、数枚の作品を見た ことがあるという程度の知識しかない。僕の興味のある写真ジャンルは基本的に風景なので、 スナップ系統の写真家のことはまったく知らない、もしくは興味がなかった。しかし、最近スナップ 写真に興味がわいてきたこともあり、その分野の大御所である彼の写真展には大いに興味がそそられた。
 広くて静かな島根県立美術館には、200点を越える作品が年代ごとにグループわけされて展示 されていた。会場に入ってすぐの部屋には、彼の代表作である「にっぽん劇場写真帖」が多数展示さ れていたが、この時代に写真にはあまり心に響くものがなかった。その後の、ブレ・ボケ技法を駆使した 時代のものも同じだった。といっても、別に写真が悪いとか言うことではなくて、僕の感性と響きあう ところが少なかったようだということで、決して否定するものではない。
 僕が最も惹かれたのは、対象物を細かく分割してポラロイド写真で丹念にずらしながら撮影し、 それを順番に並べて1枚の大きなモザイク画のようにした展示だった。それも、ただ単純にポラを並べ ただけでなく、所々にまったく異質な写真を混ぜ込んでアクセントにしており、非常にユニークな試 みだと思った。写真とは、一枚のフィルムの中にいかに対象物を押し込めるかということしか今まで 考えて来なかったが、そんな既成概念にこだわる必要なんて全然ないんだということを教えられたよ うな気がする。
 他にも「新宿」という写真集に収録されている作品群は、街や人の切り取り方や視線の面白さ がとても新鮮に感じた。街撮りスナップ写真はあちこちで見かけるが、明らかに他のどれよりも写真に 力があった。遠く松江の地で、スナップ写真の面白さと奥深さをようやく理解することができた。


2003年4月2日

 久しぶりに写真展に出かけた。いわゆる職業カメラマンの写真展ではないが、そのレベルは 十分プロと比肩しうる。僕のHPからもリンクさせていただいている「山・一期一会」というサイトを 主催している塩田さんが開催したもので、北穂高岳周辺の美しい山岳写真が40点ばかり展示されていた。
 撮影はすべて6×7サイズで撮ったものだそうで、朝夕の紅い光に染まる厳冬の岩壁や、霧を まとった神秘的な山岳写真は、見ていて引き込まれるような美しさと迫力があった。僕よりもはるかに 年配の塩田さんは、重い6×7のカメラを背負って、単独行で残雪期の北穂高岳に毎年登って写真を撮って いるという。人を感動させる写真は、それなりの苦労と努力なくしては撮れないということを改めて 思い知らされたような気がする。
 この冬は、結局山の中に入って写真を撮るということをしなかった。なんとなく気分がのらなかった というだけで特に理由はないが、要するに極寒の中に出かけていく根性がなかったのだ。その代わり 瀬戸内海に沿った小さな漁村などでぽつぽつと撮影をしたが、身近なところで済ませてしまうあたり、 年とったということだろうか。こんなことではいかんなぁと、しみじみ反省させられた写真展だった。
 それはさておき、写真はやっぱりプリントを生で見るに限る。ネットで気軽に見せられるHPだけ で満足していていては、なにも伝えられない。HPはあくまでもきっかけづくりと考えたほうがよさそうだ。


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