#8 「三つ子の魂」 撮影地:岡山県瀬戸内市牛窓

好奇心というものは、子供のころ旺盛で年とともに減少していくような気がする。なにもかも目新しい子供時代なら、どんなことでも新鮮で興味わくはずだ。しかし、年齢を重ねるごとに自分の周りで知らないことは徐々に少なくなって、次第に好奇心も薄らいでゆくのだろう。 そうはいっても、よくよく考えてみれば、自分の周りにもいまだにわからないことは数多くある。たとえば、近所の神社にいるのであろう神様はどんな姿をされているのか、お正月も3日目になるとお賽銭箱の中にどれぐらいのお金がたまっているのだろうか、とか興味はつきない。そうしてみると、好奇心というものは年とともに減少していくものではなく、年とともに知っているふりをすることがうまくなるだけで、決してなくなっていくわけではないのかも知れない。はたまた、好奇心に気がつかなくなるくらい、ほかの事に心をとらわれてしまっているだけなのだろうか。 「なぜ」「なに」という好奇心こそが、新しい発見と次につながる探究心への道しるべであり、日々の生活の活力になるものだと思う。このおばあちゃんたちが元気なのも、あふれんばかりの好奇心をいまでも持ち続けているからに違いない。

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