#24 「ともしび」 撮影地:岡山県倉敷市下津井

 下津井港の堤防の突端には御神燈が設置されている。これは、下津井の漁師の安全のためであると同時に、狭く流れの速い 下津井瀬戸を航行する船の安全のためでもあるのだろう。
 かつては日が暮れればあかりもないような場所だったのだろうから、小さな御神燈の灯火でさえ、現代の灯台に匹敵するぐらいの 心強さがあったのではないか。いまでは、りっぱな灯台もあるし煌々と輝く水銀灯や街路灯が港周辺にはたくさんある。まして、頭上には 天の川のような瀬戸大橋もあるので、灯りに事欠くことはない。それでもこうして御神燈が灯されているのは、この灯りが単なる港の位置 を示す案内灯であるというだけでなく、大切な財産でもある船の安全と下津井の町と人の繁栄を願う心のともしびになっているからなの かもしれない。

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