あわれな牛は止めを刺され、馬に引かれて消えていった。なんとなく、後悔のような念にさいなまれて、 会場をあとにしたその日一日、気分は優れなかった。バルセロナで感じた、 スペインという国とそこにすむ人々への尊敬と憧れにも似た気持ちが、闘牛を見たあとにやや複雑な感情に 置き換えられてしまったような気がする。他の国や民族の文化を自国の価値観で判断することはよくないことだが、 やっぱり割り切れない何かがある。 なにはともあれ、スペインを旅することで、すばらしい体験をすることができた。今度は、アンダルシア地方を中心に、 アルハンブラ宮殿やトレドの町をみてみたいと思っている。
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