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バルセロナを訪れたのは1989年8月のことなので、もう16年も前のことになる。目的はガウディの建築物を見ること。特にサグラダファミリア教会を一目見てみたかった。 格安航空券を使ってアエロフロート航空モスクワ経由でマドリッドに着いたのは夜の9時過ぎ。トランジットも含めて14時間の空の旅だった。 狭いシートと驚くほどまずい食事にうんざりして疲れていたせいか、夜のマドリッドでホテルを探そうという気になれず、空港で朝まで過ごす ことにした。国際線ロビーは人影が絶えることなくにぎやかだが、その分目つきの怪しい連中がうろうろしていて、安心して寝られそうもない。 そこで、国内線ロビーに移動してみると、同じようなバックパッカーが数人ベンチでごろごろしており、怪しげな連中も見当たらなかった。 というわけで、国内線ロビーのベンチで一晩過ごして、翌朝一番の国内線でバルセロナに向かった。