Special Gallery 街の風景〜欧州ひとり旅〜
             
      
#1 「翼下の朝」

 2年前の1987年11月29日の大韓航空機爆破事件の記憶がまだ残っているというのに、なぜ同じ航空会社の同じ航路の飛行機 に乗ってしまったのか。正直に言えば、韓国からアンカレジに向かう機内では半ば後悔にも似た思いがずっと胸の中に澱んでいた。 しかし、いざアラスカの大地を眼下に眺められるようになると現金なもので、初めて見る雪と氷の大地に気持ちは弾んだ。朝日が 青白い大地を赤く染め始めると、数時間前までの暗い気持ちはすっかり消し飛んでいた。   

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